空港という名前を冠してはいるが、空港アクセス駅として考えてはいけない。しかし一応は空港アクセスとして使える駅である。
空港駅らしからぬ古臭い駅舎をしているが、実際にここは後付けで空港を名乗り始めた駅である。それまでは二枚橋という駅だったそうだ。駅前のタクシー会社も二枚橋タクシーという。
時間が合えば駅前から離着陸するために飛行している機体も見ることができる。あれ?じゃあ実際に滑走路まで距離があるの?本当に空港駅?
駅構内に入ると国鉄の駅としては標準的な2面3線が迎えてくれる。二枚橋駅としてみればあまり違和感のない風景だが、花巻空港駅としてみるとあまりにも不釣り合いである。
3番線側には未使用と思われる側線がいくつか残されていた。駅裏は工業団地のようになっており昔は貨物扱いがそこそこあったのではないかと思う。
由緒正しい駅らしく、名勝地の案内が駅に掲げられている。空港駅であるが花巻空港は3番目である。そこまで重要ではないらしい。そのうえ、距離も改められた形跡がある。どうやら空港のターミナルが滑走路の東西で移転したらしく、それで距離が変わってしまったようだ。
ローマ字表示がAirportになっていない。どの駅名標を見てもそうだった。空港駅として利用をしてほしくないのかもしれない。花巻市街地から空港へのバスは存在せず、既にマイカーにとって代わってアクセス駅としての役目を終えた…と言いたいところだが、盛岡駅から花巻空港へと向かうリムジンバスがこの駅を経由しており、本数は少ないものの実際に空港アクセス駅として機能しているのも事実である。私もこの駅で降りてそのバスを掴み花巻空港へと向かった。
空港へ向かう途中、かの有名な羅須地人協会を見かけた。滑走路と道路を挟んで向かい側に構えている。果たして宮沢賢治も飛行機が良く見える場所を好んで建屋を構えたのだろうか。