新しい風に乗って

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13億6千万

13億6千万とは何か、それは2019年度に広島電鉄に導入される電車の価格である。

公式の第109期有価証券報告書から確認できる。

そこには2編成・2両と書かれている。つまり、2019年度は4本が導入される。

先日、5200形GreenMoverAPEXの導入が発表されたが、当然これに基づいている。

 

で、この13億6千万。内訳が自己資金、借入金、補助金の3種類となっている。今回はそれを分析してみるという話。前にtwitterでしたのでソレを見た人は以降見なくていいぞ。ついでに言うと、「だ」「である」調に耐性がない人も見なくていいぞ。

 

補助金を出しそうな関係各所というと、広島市廿日市市と、広島県がありそうである。

そこで、まずは広島市の予算案を見てみる。

 

路面電車のLRT化の推進 7,462万7千円
  低床路面電車車両購入費補助
   補助対象者 広島電鉄
   補 助 対 象 低床路面電車車両
         (3編成分)
   事 業 費 10億6,000万円
   (負担区分)
    国    3億5,333万3千円
    広島県 6,333万3千円
    広島市 7,462万7千円
    廿日市市   2,204万円
    事業者  5億4,666万7千円  

 こうである。補助対象は3編成分10億6千万円となっている。内訳も書かれている。4編成ではなく3編成分の補助となるので、残りの1編成分は広島電鉄が完全自腹で導入すると予想できる。広島市の補助を受けず他の自治体や国からの補助金を受けるということは考えられないためである。

内訳に廿日市市があるとおり、宮島線直通車が今年導入されるということは予算案発表時に既に私は知っていた。形式は知らなかった。

そして廿日市市の予算案を見てみる。

広電宮島線低床車両導入
(1) 平成30年度補助対象事業費 760,000千円(2編成) 
《負担割合》
国1/3、広電1/2、県・関係市1/6(1/6を県と関係市(広島市廿日市市)で折半し1/12ずつ負担)
関係市の負担割合は宮島線営業キロ按分により算出(広島市65.19%、廿日市市34.81%)
市補助見込額 760,000千円×1/12×34.81%= (H30)22,040千円
広電宮島線の低床車両導入については、平成30~34年度の5ヵ年計画による整備が予定されている。 

 当然ではあるが、こちらは宮島線直通相当分しか補助金を出さない。このことから広島市の3編成分の内1編成は市内線=LEXということがわかる。というわけで、わかる部分をまとめると、こうなる

  広島県 広島市 廿日市市 広島電鉄   合計
宮島線2本      22040        760000
市内線1本      0        300000
市内線1本  0  0  0  0  300000    300000
               
合計  63333  74627

 22040

 353333

 546667

+300000

  1360000

  (単位は千円)

広島電鉄負担額の合計は自腹の1編成を別記している。

 

次に、少なくとも宮島線相当分は廿日市市の計算に準拠すると考え埋めるとこうなる。

  広島県 広島市 廿日市市 広島電鉄   合計
宮島線2本  63333    22040  253333  380000    760000
市内線1本  0    0        300000
市内線1本  0  0  0  0  300000    300000
               
合計  63333  74627

 22040

 353333

 546667

+300000

  1360000

  (単位は千円)

 

この時点で、県は宮島線関連分しか補助金を出していないことがわかる。鉄道線と軌道線で与える与えないが変わってくるのだろうか。

そして、小学生にもできる単純な四則演算を行うと全てが埋まる。

  広島県 広島市 廿日市市 広島電鉄   合計
宮島線2本  63333  41294  22040  253333  380000    760000
市内線1本  0  33333  0  100000  166667    300000
市内線1本  0  0  0  0  300000    300000
               
合計  63333  74627

 22040

 353333

 546667

+300000

  1360000

  (単位は千円)

 

というわけで、これが今年度に入る新型車両の予算内訳である。完全自腹の編成を除けば、国は3編成分全てで均等に1/3の補助金を与えているが、広島県と当然廿日市市宮島線相当分だけである。

広島市は市内線車両にも11%ほど予算を与えているが、昨年度の市内線車両の補助率が25%で7500万円だったことを考えると、出し渋っているように思われる。割合水準ではなく額面で上限を定めているのではないかと思われる。逆に考えると、昨年までの市内線車両は3億円に対し国の1億円と広島市の7500万円を補助金として受け取っていたことになる。実質企業負担は1億2500万円。そうかんがえると都会の通勤電車と遜色ないのでは?