新しい風に乗って

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202305GW訪欧記⑦:ポツダムに向かい広島号を探す。

 

前回の続き

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最初から読む場合はこれ

setoutivrm.hatenablog.com

 

ドイツに帰ってきてポツダムに向かう。

 

クシェットにはコンセントが2つ、窓側のテーブル下についている。下段の場合はベッドから手の届く範囲だ。区画で共用ではあるものの電源確保も至上命題である。外が明るいことを察知して携帯とモバイルバッテリーの充電を仕込んだ。

 

工事で遅れるという案内はこのnightjetも対象だった。朝起きたらドイツ郊外を走っていた。地図を見るとGöttingenという駅の少し先らしい。時刻をみると概ね20分~30分程度の遅れだった。昨日ほどではない誤差のような遅れだった。ほどなくしてこれまた昨日同様車掌が朝食を持ってきた。起き上がることができないが、連日の寝ころび飯で慣れたものだ。簡単に平らげて返却。あとは降車の駅まで1時間ほどあるので横になってリフレッシュ…

 

 

リフレッシュを許してくれなかった。直上の寝台(中段)の人間がガサゴソと何かをしていると思えば寝台を畳もうとしていた。こうなっては悠長に寝ころぶこともできない。自分の寝台を半分明け渡し、大人しくコンパートメント形態として降車を待つことになった。ちなみに上段の人間は無関係に横になることができる。次に乗るときは上段にしたい(願望)

 

5月3日、朝7時20分。ハノーファーに帰ってきた。およそ30分遅れだった。この日の予定はポツダムとベルリンに向かうもので、本来ウィーンからベルリンへのnightjetもあるためこの日にハノーファーに寄ることはない。nightjetを予約した日にはベルリン行きが満席でありやむをえずハノーファー経由としたのである。そのベルリン行きも後日確認した際には空席があったのだが、一度pdfでチケットを出力した場合は払い戻しができないとのことでハノーファーまでのnightjetを捨てるのに躊躇し、結局当初通りハノーファー経由になったという経緯がある。

 

白に赤というドイツ鉄道とは違う色の車両もいた。メトロノーム社という私鉄らしい。機関車の型式自体はドイツ鉄道の導入しているものと同じようだ。

 

ハノーファーからポツダムに向かうにあたって、eurailアプリから調べると1つはICEでベルリンまで直行したうえで引き返す案、もう一つはライプツィヒまで向かうICに乗り、途中のマクデブルクで乗り換えるプランだった。ICEの方が早く着くが、駅のホームにもかなり人が待っており居住環境も良くなさそうだ。それに電源を確保しなくてはならない。接続もそこまで悪いモノではなく、また客車列車で空いているICに乗ることにした。2階建ての比較的新しい客車だった。

 

先頭の機関車は赤色ではなく、客車と揃えた白に赤帯のデザインだった。専用車のようなものか。

 

 

途中、Lehrteという駅で10分ほど運転停車し、貨物や後続のICEに抜かれた。接続の良いプランにしたのに接続が怪しくなってきた。ドイツ鉄道の真実を知りつつあった。

 

 

沿線を北海道のような景色として表現していた。もう車窓に飽きたのだろうか。

 

Magdeburg Hbf

接続先の列車はいなかった。ドイツ鉄道の本気をまたしても知ることになった。次の列車は1時間後だ。

 

幸いにも駅前に軌道があった。怪我の功名に近いがここで予定外のマクデブルク市電を見物する。

 

3車体連接の部分低床車がやってきた。アルストム製でシタディスの一味らしい。

こちらも3車体連接の部分低床車、上の写真の車両と基本的には同じアルストム、シタディスであり製造年月によってデザインが違うようだ。この車両は初期車、上の車両は後期車のようだ。こちらには赤い帯が入っており富山地鉄の市内電車のようだ。

 

超低床電車が1両トレーラーをひっぱっていた。この車両はかの有名なタトラ社製らしい。マクデブルク市電にはこのように引っ張られる、トレーラーのタトラ以外にも自分で動くことができるタトラの車両がいくつかいるらしいが、あいにくこの1時間では遠目にしか見ることができなかった。

 

そして、どうも私が駅前だと思っていたこの場所、路面電車としてはHauptbahnhof Ostとして9系統の1種類しか走行しないらしい。駅北側に回り込んでNord電停であればもう少し本数があるようだ。

 

というわけでNordに向かってみると工事中。駅の東西を結ぶ道路に軌道が敷設されていたようだが、その道路部分だけ地下に移設し、かつて道路だった場所を歩道にしているようだ。その工事でしっかりと道路跡部分が封鎖されている結果、写真に写っている側(駅西から東方面へ向かう電車)はNord電停を通過していた。

 

ベルリンのすこし東にあるフランクフルト(オーダー)行きのREに乗って移動する。REとは快速列車のようなものだ。これもドイツ鉄道ではなくODEG、東ドイツ鉄道の車両らしい。

 

小駅にこまめに止まりながらも1時間程度でポツダムに到着。

コンコースはSUBWAYを含め様々な店があり賑わっていた。そしてプラットフォームの順序がめちゃくちゃだった。南側から4,2,1,3,6,5番線の順だった。何故こういう順番になったのだろうか。線路を増やすたびに再附番させずにそのまま既存の番号を維持したのかもしれない。

このポツダムはベルリンと近接しており、ベルリンの近郊電車Sバーンも乗り入れてきている。また切符が共通化されており、ベルリンのフリー切符のうち最大効力のものはここポツダムも範囲となっている。一方でポツダムポツダム単独としてのフリー切符もある、どちらを買うか駅で10分ほど悩んでいた。結局、ポツダムポツダムのフリー切符を買い、ベルリンはその時に考えることにした。

 

このポツダムには路面電車が走っている。ここはこの旅行で訪問したかった場所でもある。理由は「コンビーノ」である

この車両がコンビーノであるが、この町のコンビーノにはそのシリーズが導入された都市の名前が冠されている編成がある。その車両愛称のうち、404編成に冠される名前は「広島」、訪問目的はこの広島号を撮影することであった。

このように車両の側面に書かれている。この車両はヴァイル・アム・ライン号。どこだろうと思うと隣国スイスの国境都市、バーゼルと一体となった町のようだ。事実上のバーゼル市電であるが、バーゼルにしなかったのはナショナリズムの表れだろうか。

 

広島号を探すのもそうだが、事前調査でなんとなくかっこよかったNauener Torを訪問。門の中をくぐるように路面軌道が敷かれているのはヨーロッパ他都市でもよくあることで、例えばプラハのそれは有名である。この町に傑出しているわけではないが、少なくとも日本では見かけない光景であることに変わりはない。当然門は軌道を通すことを前提に建築されたわけではなく、この区間だけ複線軌道が狭まっている。

 

 

単線ではなく、上下線が食い込んでいるいわゆるガントレットとなっていた。単純に単線とすることに比べて可動部が無いためにメンテナンスは楽なのかもしれない。

 

こいつはタトラの連接車。車体更新がされているようだ。ちなみにポツダム市電は白色に灰色、そして濃い緑というカラーパターンを採用している。このデザインパターンが2000年代初頭の広島電鉄を感じさせるのは私だけだろうか、ボンバスやグリーンムーバーに通じるものがあると思っている。きっとトータルデザインの偉い人がポツダムに視察に来て感動したに違いない。

 

さて、門で待っていてもなかなかお目当ての広島号は来ない、それどころか最初に撮影した列車が折り返してやってきた。場所を変えてPlatz der Einheit/Westへ。ここは全ての系統が集約するため、少なくともこの日動いていれば絶対にやってくるはずだ。

 

来た。404号。その側面には広島の文字、お目当ての電車だ。

 

 

異常アジア人、このポツダムの電停で一人興奮していた。そんな人間を他所に広島号は去っていった。しかしまだ時間に余裕がある。30分も待てば折り返して帰ってくるはずだ。後続の電車を掴み、良さそうな場所を現物合わせて見定めることにした。

 

 

このタイミングで帰国便のアップグレード勧誘が届いた。このメールが届くということはドイツを去るまでに48時間を切ったということだ。時間というのははかないものである。

 

良さげな場所を見つけたので待つことにした。これはコンビーノではなくシュタッドラーのバリオバーンというらしい。系統が99系統とかなりインフレしているが、これも理由がありベルリンと重複しない番号として90番台が割り当てられているようだ。

 

割とすぐ来てくれた。

 

さて、ポツダムでやるべきことはここで済んだ。しいて言えばコンビーノの試作車である400号を見てみたかったが、そんな都合よく試作車が走ることも無い。素直に次の目的地ベルリンへ向かうことにした。

 

 

途中、電車とバスが同じ電停に乗り入れる場所を見つけたので下車した。広島だと広電本社前でやりたいことであるが、まずは複線間隔を広めた方が良いと思う。

 

Hbfに帰ってきた。車内放送ではHbfに行きたい人間はLange Brücke(一つ手前)で降りろとアナウンスされ、実際に相応が降りたが私は無視してHbf電停まで乗り続けた。そうするとロータリーの反対側で降ろされた。これはこれで遠いが駅舎全景を撮影できたのでよし。

 

ここから再びREに乗車し、ベルリンへ。

 

続き

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