前回の続き
火災報知器の作動は1回だけだった。以降はぐっすりと眠ることができて起きたのは朝9時頃だった。前の日の宿泊が空港内のソファだったことを考えれば天国のようなものだ。朝食を予約していないので特に急がずにゆっくりチェックアウト。
香港の足場は竹であるというのは有名な話。ホテルに近い所に間近に見える場所が合ったので撮影した。美しさを感じる。
とりあえず香港島に渡ることにしたものの、荃湾線で行くのは味気ないと思い敢えて東鉄線で渡ることにした。ちなみにこの東鉄線、かつては中国大陸に直通する列車も走っていたようだが高速線が開業したり色々あって現在は走っていないらしい。
九龍塘
ここは前の家族旅行の時にも乗り換えた駅である。この車両は韓国はロテム製の電車らしい。前回の時はいなかった車両だ。
東鉄線には一等車が連結されている。一等車と言っても豪華絢爛なものではなく首都圏グリーンのそれに近い。設備としてはボックスシートだ。乗ろうとは思わなかったが、この本来であればドアを取り付けるはずだった場所みたいな車体のつなぎ目にちょっと惹かれた。一応新製車両だとは思うのだが、きっと鋼体は共通設計なんだろう。
會展
九龍側の紅磡駅から香港島に渡る部分は前回の家族旅行時は無かった路線で、渡った先のこの會展駅も当時は存在しなかったことになる。
駅の壁に東鉄線と、その前身である九広鉄路の歴史が紹介されていてとても楽しい駅だった。電車オタクの本能からは逃れられない。
この駅を降りて1kmほど北東方向に歩き海沿いに出ると保存車が置いてあるという情報を知っていたので向かうことにした。といっても個人所有とかではなく立派に公共空間に置かれている保存車である。
東鉄線のメトロキャメルで、2年ほど前に退役した車両である。休憩所のような施設になっていた。
説明版も設置されている。愛称は烏蠅頭というそうだが、日本語で言うとハエの頭と。言われればフロントデザインがハエに見えなくもないが…
この日の目的はこの保存車を見ること。あとはのらりくらりと空港に向かうだけである。別に地下鉄で向かってもいいのだがせっかくなのでバスで香港駅まで向かった。
香港駅の近くを歩いていると、歩道橋の上に段ボールで簡単な仕切りを建ててそこで寛いでいる人を多々見かけた。身なりは浮浪者にも見えず不思議だったが、後で調べるとピクニック感覚で歩道橋とかコンクリートの広場でも寛ぐらしい。知らなかった。
香港駅から空港までは機場線に乗れば直通で着く。しかし空港アクセス線なので高い。別の方法で空港に向かうことにした。機場線と線路を共有する東涌線で空港の近くの東涌という駅まで向かい、そこからバスで空港に向かうというものだ。ケチには有名なルートである。
ところがここで財布を見ると、500ドル紙幣とオクトパスカード、あとはクレジットカードしかなかった。このオクトパスカード自体は残高がマイナスになっても使えるので東涌までは行くことができる。しかしそこから先のバスでは使えない。バスに500$を入れるわけにもいかない。ここで500$をカードに流し込んでも手元資金が無くて困るし、次にいつ使うか分からないカードに500$も突っ込むのは厳しい。どうしたものかとしばらく頭を悩ませ、結局東涌まではVISAのタッチ決済で乗ることにした。ぶっちゃけ、助かった。
というわけで東涌まで運ばれてきた。機場線の電車から逃げきるためなのか各駅停車にもかかわらずものすごい速度で走っていた。途中で大きな鉄橋を渡ったらしいが柵で一切の景色が見えなかったのだけが残念。
ここからバスで空港へ。
お馴染み2階建てバスS1系統で向かった。
昂坪360のロープウェイにありえんほど並んでる。春節だから?それとも日常? pic.twitter.com/FaAXyfVfvP
— 倹約 (@setoutivrm) 2024年2月11日
ロープウェイにめちゃくちゃ人が並んでいた。いくら春節にも限度があると思っていた。
正直、乗りたいと思ってしまった。これ宮島口の駅から海渡って弥山の上まで登るようなもんだろ、そりゃ乗るわ。
チェックインはオンラインで済ませていたが、搭乗券を受け取りにカウンターへ。そのまま出境をした。入国カードをどこにしまったか忘れ審査場で大捜索したがこんな人間を香港にとどめてはいけないという審査員の計らいで出境が許された。最後に空港プライス点心を食べた。
LCCのくせにメインターミナルが使えると思うなということで200番台のサテライトに飛ばされた。本館で飯を食っておいてよかった。ここには待合室以外にない。
往路はA320だったが復路はA321だった。春節特需とかではなく普通に機材が大型化されたらしい。とはいえ単通路の3+3なのは変わらない。A330とか入れてもええんやで。
飛行機をとってたらファイナルコールになった。
この後ありえないほど飛ばしてものの3時間半の所要時間から30分巻いてで帰国した。後はもう慣れたもんでスタンプを貰って預けた荷物を回収、1時間以上かけてはるばる帰宅した時にはくたくただった。本当に遠い空港だ。