新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

2023GW訪欧記⑨:壁を見る。ベルリンからエアフルトに寄る。

前回の続き

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最初から見たい人はこれ

setoutivrm.hatenablog.com

 

ベルリンで起床し、壁を見た後にベルリンを去る話

 

ホテルは良いモノだった。値段の割にシャワーも暖かいし布団も柔らかい、充電もしっかりできる、さらに炭酸水がついてきた。快適に眠ることができたが気候の問題か、朝起きた時にはしっかりと喉の奥が乾燥していた。洗濯をして濡れタオルと濡れTシャツを部屋に干していたのだが、それもすっかり乾ききっていた。嬉しいが喉に負担があるのはちょっと嫌な感じだった。

 

ホテルの前にあるHermannplatzの駅から行動を開始した。

平日の朝だったからなのか、駅の周りにはいくつか露店が営業していた。せっかくなのでカフェラテを飲んでのどを潤し、そして目を覚ました。

 

U8系統でKottbusser Torへと移動した。どことなく東山線を感じる新型車両だと思う。なかなかカッコいいし、音も良い。嫌いじゃない車両だ。

U1系統に乗り換えた。ここはベルリンUバーンの中でも最初期の路線らしく、乗車した区間はずっと高架線だった。川沿いを鉄骨造の高架線で走り抜けていくのはなかなか爽快感があった。それに第三軌条なので視界の上に邪魔なものが存在しない。とてもいいと思う。

 

Gleisdreieck

どことなく大阪港とかそのあたりの駅のようだった。この駅は地図で見るとなかなかいい遺構がある。

goo.gl

 

現在は東西方向のU1系統と南北方向のU2系統の単なる交差駅であるが、開業時は東西方向の線路が無く、東~北と東~南の連絡線でデルタ線を作っていたらしい。その痕跡が地図からも、そして駅からも視認できた。

北方向を向くと、その連絡線跡地が見えた。奥のレンガの高架がそれ。

 

駅から西に向かうと、線路がビルに突っ込んでいた。列車からしてみれば前後もシェードに覆われているので気づかないだろうが、外から見るととんでもない構造である。なんでこんな構造になったのかは分からない。というか住民は自分の部屋の下の階が鉄道トンネルだったらどんな気分なんだろう。

 

良い感じに教会と電車が映る場所があった。黄色い車体が生える。1車両の長さがとても短くプラレールのようだが、ベルリンの地下鉄には2種類の車両規格があるらしい。このU2系統は小型規格で、昨日散々乗ったU6~U8系統のあたりは大型規格だそう。大型と行っても日本のように20m4ドアなんてことはなく、せいぜい16mぐらいだ。

 

 BülowstraßeからU2系統でStadtmitteへ向かい、U6系統で北上。

東西分割の時は地下鉄も一部通過扱いになっていたらしい。説明すると面倒なので「幽霊駅」と検索するといい

 

Naturkundemuseum

ここから路面電車に乗って再度壁を見に行く。ふてぶてしい顔の車両だ。

 

昨日の壁と違い、モニュメント的な要素が強く残っていた。写真左手側にはいろいろなエピソードが記録されたオブジェクトがあったり、建屋に1960年代の写真がペイントされていたり、あるいは壁建設に際して破壊された教会や住宅の痕跡が残っていたりする。上から見下ろすことができる資料館も近くにあったが、朝早すぎて開館していなかった。

 

地面のブロック状の部分に壁が立ってあったらしい。ちょうど地下鉄駅の出入り口があるが、この駅も当然壁があったころは使えず、東西統一の頃合いまで30年ぐらいは幽霊駅になっていたそうだ。

 

 

壁に満足したのでHbfへ向かった。 このBernauer StraßeからU8系統で南下し、AlexanderplatzからU5系統に乗り継いだ。駅のホームでドラマか何かの撮影をしていた。もしかしたらドイツのテレビ番組で奇妙なアジア人が映り込んでいるかもしれない。

 

U5系統は近年になって延伸したらしく、その区間と思われるRotes Rathausという駅がかっこよかった。ついでにいえばこの駅の下にU5系統と他の路線を結ぶ連絡線が敷設されているらしい。現地の配線図が欲しいものだ。

 

ベルリンのHbfについた。さすがに首都の顔になる駅でしかも開業も比較的新しく、とにかくガラス張りと大屋根が美しい。どことなく高松駅みたいだ。

東西方向の高架線と南北方向の地下線が吹き抜けで直交している。すごい構造だった。地震の多い国ではこれは無理だ。

 

軽食を食べた後、ベルリンを脱出してこの日の目的地であるフランクフルトに向かうことにした。直行の列車と乗り継ぎの列車があるらしいが、乗り継ぎ地となるエアフルトにも路面電車があるらしい。せっかくなので寄ってみることにした。こう自由に訪問場所をその場その場で決めることができるというのはユーレイルパスを使う利点であると思う。

 

遠景に山の無く、丘という感じのただっぴろい風景を進んでいった。

車内Wi-fiからアクセスできるポータルサイトが充実していた。停車駅の案内や到着時刻の他、地図や現在の速度を表示してくれるのが嬉しい。250km/h程度なので日本ほどではないがコンスタントに速度は出していた。

 

トンネルは無く、基本的には丘陵に沿って、それでも厳しい時は高架で乗り越えるような線形だった。これだと建設費も結構安いんだろうか。

 

 

エアフルトに着いた。

富山のように高架駅の直下に路面軌道が乗り入れていた。また改札が無いおかげで駅ホームから階段を下りればそのままこの路面電車乗り場に着くことができる、ついでに、駅南側では良い構図で撮ることができる。

 

上の写真をよくみるとわかるが、写真手前の線路が左右に分かれる部分に分岐器は無い。高架下に分岐器があり、このわずかな区間ガントレット、つまりは2方面のレールが重なっている構造になっていた。可動部を高架下に隠しておきたかったのだろうか?

 

Hbfから一つとなり、Angerの電停は全ての系統が経由するターミナル電停らしく、ここまで歩いてやってきた。十字交差する軌道に対して歩行者と自転車が広場の中を好き勝手闊歩し、さらにその中に長い路面電車がそろりと入ってくる光景は見ていて飽きないものだった。

が、電車を撮るにはその歩行者に被られるのが難点だ。こればかりは仕方がない。

ちなみにこの車両は見た目こそ大きく違うがコンビーノシリーズ、つまりは広電のグリーンムーバーと親戚だ。このエアフルトの町は顔と長さの違う3種類のコンビーノがいるらしい。これは3車体+3車体だが、5車体と3車体を連結させ、都合50m程度の編成になっているものもいた。

 

1回券の料金が均一で、どうせ乗るなら1区間でも長く乗りたいと、Augustinerklosterという電停まで歩いてHbfまで戻ることにした。これまた顔の違うコンビーノがすれ違ったので撮影した。こういう狭い道幅でも歩道の幅が広く取られているのがすごいと思う。日本だったらたぶん歩道+車道+軌道になって歩道は非常に狭いことになっているだろう。宇品もこれにしよう。

 

折角なのでコンビーノの車内を撮影。片運転台なので進行方向向きの椅子が並んでいた。あとは信用乗車に必須のチケットキャンセラーと、液晶もついている。そして前の車両との連結面に注目してほしい、この車両もちゃんとリコール対象になって左右上部に補強がついているが、広島のそれと違って直角三角形だった。

 

Hbfの駅コンコースから電車乗り場を見るとこんな感じ。かなり富山

ホームに上ると1両のディーゼル車がいた。かわいい。

暫く待ってから次のICEに乗ってフランクフルトへ向かう。

 

 

続き

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