新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

202402香港①:屯門に向かう

2024年2月、香港に行った。

去年の中旬に香港国際空港主催で航空券をプレゼントするという企画があった、ざっくり日本から香港までの航空券をプレゼントするというもので、物見遊山感覚でこれに応募した。

wow.hongkongairport.com

 

対象となる航空会社はキャセイパシフィック、香港航空、香港エクスプレスの3社。最初はキャセイに応募したもののワンワールド系のFSCということもあって恐らく人気も集中したのだろう、当選しなかった。複数の航空会社で応募掛け持ちできるらしく、香港エクスプレスで次に申し込みし、無事に当選になった次第だ。ちなみに無料になるのは運賃だけで諸税や燃油サーチャージはしっかし徴収される。それでも往復2.5万円とすれば上出来である。

 

本来は家に帰ってからゆっくり荷物をまとめて空港という行程にしたかったが、予約した飛行機が時刻変更で21時45分発となってしまった。午後休を取得することも考えたが、会社から直接空港に向かってみるのも一興ではないかと思い、あらかじめ駅に旅行荷物を格納していた。

 

荷物を回収して一路御堂筋線で難波へ、会社から梅田か天王寺か難波に出るか考えたら一番近いうえに逆方向にならないのが難波なのである。カバン3つ抱えて地下鉄の南の端からエスカレータを登るとまあ悲しいことにラピートはいない。空港急行に乗って直で行くのも一つだが、それとも泉佐野までサザンに乗って”あわよくば”関空行きの普通車を掴めるかもという期待を込めサザンに乗った。もし接続が無かったとしても乗るのは難波で乗らなかった空港急行である。サザンにのって早く着く可能性はあっても遅く着く可能性は無い。

 

結果から言うと、泉佐野空港急行を待った。南海のパターンはさっぱりわからん。

結局、遠すぎるのである。ただ、どうやらこの空港は郷土愛の強い人間に熱烈に崇拝されているらしく、正直に遠いことを言うとそんなことは無いと言いがかりをつけてくるようだ。全く、広島空港を見習って郷土愛の強い人間こそしっかりと不便なことに文句を言えるようになるべきである。ぼくは関西に郷土愛は無いが、しっかり文句を言う。

 

で、まだ退勤したてで着の身着のまま、荷物もたくさん抱えているのでシャワーを浴びることにした。ついでに着替えて仕事道具を片付けることとした。

aprecio.jp

シャワーは40分で1000円ほど。タオルはついてくるので手ぶらで入っても問題なし。しっかり綺麗な施設だったがシャワーブースは3個しかなかった。今回はたまたま空いていた。

 

シャワーの後、空港1Fのコインロッカーに会社の荷物と衣服一式を放り込んだ。そのまま4FのBカウンターでチェックイン手続きである。香港エクスプレスにはオンラインチェックインの制度があるようだが、どうも調べる限りだとチェックインをしてても一度カウンターに寄る必要があるらしいとのこと、カウンターに寄ったらパスポートのチェックがあり、機内に預ける荷物にタグをつけてもらった。ただこの時点でカウンターに他の客はいなかった。搭乗開始時刻は21時15分で、今は20時35分。LCCで締め切り時刻を遵守しているにもかかわらず不思議な感覚であった。

 

「搭乗口は8番です、ここから20分かかります

どうやら関西空港が遠すぎて飯を食う時間が無くなってしまったらしい。これは困った。しかも保安検査もそれなりに並んでいる…

本当に21時ぐらいに搭乗口に着いた。最低限の飯としてコンビニでサンドイッチとジュースを買い胃袋に流し込む。そんなことをしている最中にも徒列が準備され広東語と英語で何かしらを案内している。

 

どうにか夕食を平らげ機内に乗り込んだ(ちなみに機内は飲食持ち込み禁止である。水は黙認されているらしいが)

 

機体に讃岐烏冬と描かれていた。高松にも就航しているからだろうか。「饂飩」ではなく「烏冬」なのは恐らく発音重視なんだと思う。

KIX→HKG UO863便 B-LCG

ケチは座席指定ができない。アサインされたのはC席通路側だったが、幸いにもA席B席は空いており、横1列を自分一人で使うことができた。多分オタクキモ過ぎ罪だと思う。A滑走路から北方向に離陸し、一路5時間のフライト。機内食は手配していないため上空では可能な限り睡眠に費やした。LCCとして何も期待せずに臨んだが意外と快適であった。

香港空港ではバスに乗せられた。まあ徒歩で降ろされることに比べれば随分とマシだろう。

到着ロビーに着いた時点では現地時間で2時手前であった。この時間に入境したところで市内に宿を手配しているわけでもなく、また朝まで時間を潰すのにも難儀するのではないかと思い、到着ロビーで寝ることにした。人生3回目の空港泊である。事前知識は無かったものの入境審査場の近くにUSBポートつきのソファベンチがあり快適に寝ることができた。もちろん照明は落ちないので上着を頭から被さって眠った。

 

6時頃、目覚めてそのまま入境した。香港のイミグレーションカードは入境と出境が1枚になっており、入境側に書けば複写されるのだが偶々手にしたカードは入境ページが破れて綺麗に無くなっており、そんなこともつゆ知らず出境側に色々書いて審査官の所に向かい、一度書き直すはめになった(1敗)

 

ターミナルでオクトパスカード交通系ICカード)を買い、目の前から出ている機場線に乗って市内へ…は向かわなかった。この日真っ先に向かいたかった場所は機場線に乗ると遠回りでかつ料金も高いのである。バスに乗った方が早くて安い。

・龍運バス E33系統 香港機場→屯門駅

 

というわけでバスで目的地、屯門へ移動。空港から屯門までは海底道路トンネルがあり、30分程度で着くことができる。

 

・屯門駅

路線図の左上の位置が現在地である。この網の目のような黄色い線が香港訪問の主要な目的、軽鉄である。この路線は以前1度来て惚れた場所なのである。

とりあえず駅の窓口で24時間券を購入。65HKDでMRTの大半と軽鉄が乗り放題になる優れものである。

 

そして今回の旅行では24mm-200mmのレンズを投入することとなった。これまでのレンズは24mm-70mmだったが、複線の反対側の駅名標を撮影するのにはちょっと望遠距離が足りないこと、そして望遠は旅行先で色々と幅が広がるかもと思って注文したレンズだ。どうにか香港の前に手元にやってきたものでもある。

さて軽鉄の屯門駅は高架である。単純な複線ではあるが、駅の東西で3分岐があるため色々な系統が束なってやってくる。改札は無くオレンジ、緑色のカードリーダが駅に常備されている。これにタッチせずに乗ろうものなら高額の罰金が科せられる。いわゆ「信用乗車」という奴だ。

早速電車がやってきた。第1世代の車両をリニューアルしたものらしい。

この505系統に乗って南下し、高架を下ってすぐ次の市中心駅で下車。この高架を下る部分で望遠のお試しをしてみたかった。

 

え、良いじゃん。こんな先の景色を撮れるの?ってのが率直な感想だった。今までのレンズでは到底撮れないような写真が撮れ一人感動していた。景色としても電車に刺さることに限らず背景に超高層マンションが林立しているのもいい。ちっちゃい電車が高架線を走るの、好きなんだわ

 

もう1枚トライ。もうちょっとズーム。うーん、どうなんだろう(わからない)

折角1日券があるので屯門の様々な場所で電車を撮ってみることにした。

 

市中心駅。右奥に見える坂がさっきまでの写真を撮っていた場所になる。屯門の軽鉄は進行方向左側にしかドアが無いので、線路が4線あるところにはホームも4つある。ただ奥のホームは使っている様子が無かった。

進行方向左側にしかドアが無いということは折り返すためにはループ線を使って向きを変える必要がある。その途中に駅があるのも面白い。ここは友愛駅で751系統の折り返し専用の駅だ。

1方向にしか進まないため、後ろは簡素である。写真の奥の方に本線が横方向に走っている。ここが終着駅でもあり、始発駅でもある。

 

図にするとこういう感じになる。751系統のみが赤い経路を通って折り返しする。それはそれとして安定駅南側にループ線(緑色の線)があり、これを使っても折り返すことができるが、こちらは使われていないようだ。まったく分からない。

 

ちなみに折返しで一度車両から追い出されるということは無く、そのまま残ることができる。一応車内放送ではRevalidateをしろと(下車・乗車のカードリーダにタッチしろと)言われるが、あまり現地の人は気にしていない様子だった。

単線の隅に電車が来るのがいい。

 

次いで505系統に乗って三聖駅へ。ここもすごかった。

これは降車ホームの写真であるが、明らかに隣に線路を敷くスペースが用意されている。

右奥に見えるのが乗車ホーム。こちら側もかなり意味ありげな空間が広がっている。

この駅は現時点では終着駅で、単純に505系統が折り返すだけの役割であるが、かつてはさらに先に延伸する構想があった様子。その痕跡で駅空間に十分な余裕を持って作られたようである。

現状がこれで、

駅の構造から推察するに当初計画ではこれぐらいの駅にするつもりだったのではないかと思う。配線があまりにも奇妙に見えるが、これに近い配線の駅は既に存在するのである。次回はその配線のヤバい駅、屯門碼頭に向かう。

 

続き

setoutivrm.hatenablog.com