新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

202402香港②:まだ屯門を徘徊する

前回の続き

setoutivrm.hatenablog.com

 

引き続き屯門の軽鉄を追い掛け回す。前回最後の三聖駅は枝線のような扱いで、北から走ってくる系統が折り返すのみである。そこで隣の兆麟駅へ向かい、西の方へ向かう路線に乗ることとした。

朝から複数回乗り降りするなかで地元利用者のが結構短距離で使って行くことに気づいた。終点の1つ手前の駅で乗って、そのまま終点で降りていくとか、そういった客もそれなりにいる様子。運賃が5HKD程度で廉価なのも要因の一つだとは思うが、もしかすると季節によっては1区間歩くのもままならないほどの高温多湿になるのかもしれない。いずれにせよ水平エレベータとしての役割がかなり強いようだ。

兆麟の駅を俯瞰。奥側には前回ちらりと触れた安定駅の未使用と思われるループ線がある。また振り向けば三聖と屯門碼頭を振り分ける分岐があるが駅自体はシンプルな構造だ。ちなみにこの車両はオーストラリアのGoninanという会社の車両らしい。(日本では自国の車両は基本的に自国で賄われるという側面もあるが)あまり聞いたことのないメーカーである。一応軽く調べてみたが、オーストラリア国内の車両を中心に製造している様子。イギリス連邦のよしみだろうか?

 

またも数駅先、屯門泳池で下車をした。というのも、ここの駅と次の駅の間でそれなりに長い川を渡るため、何かしら良い写真が撮れるんじゃないかと思って降りることとしたためである。本当にノープランである。

橋は後回しにして、まずは北にカメラを向ける。複数系統が重なっている区間なのでそこそこの頻度で電車が来る。

奥の建物は最上階にクレーンが残っているのがわかる。つまりは建設中である。既に十分な数の超高層マンションが林立していると感じていたのだが、どうやら香港としてみればまだまだ開発途上らしい。改めてgooglemapを見ても、この奥の建物に限らず駅すぐ隣の建物(一つ上の写真で左に見切れている建物)も地図上には存在しないのである。開発のスピードが恐ろしいのである。

またもう一つの香港らしさというと、この写真の右側に見切れている足場。これは全部竹でできている。屯門に限らず香港では工事用足場を竹で作るのがメジャーなのである。前に来た時も竹でよく組めるなと感心したような記憶がある。

 

そしてこの地図上に存在しない建物1Fに(営業時間外ではあるが)良い名前の店があった。

「E.TEA -茶星人-」というらしい。スティーブンスピルバーグ監督の超有名SF映画をモチーフにしているのだろうが、正直に言ってこの店名であれば日本に進出してきても十分にウケを狙えると思う。現地でゲラゲラ笑ってしまった。

で肝心の橋の上からの写真だが、結局右カーブで電車を撮るという市中心の駅で撮影したのと似たような構図になった。そこまで本気出して取り組むほどではないと思うが、最低限レベルまでは電車の撮影についての精進が必要かもしれない。

ちなみに車両は俗にいう第5世代ライトレールである。

専用軌道に沿って歩行者用の通路もある。対岸まで渡ったタイミングでまたしても電車がやってきた。

こちらも第5世代ライトレールである。ほとんどの区間で架線柱が中央にあるセンターポール構造の為、内側から撮るとどうしても柱と干渉するのである。

兆禧から電車に乗り、終点の屯門碼頭へ。とはいってもたった1駅である。('ω`)シウヘイ…

 

屯門碼頭の駅は前回の三聖駅と同様に駅の上を人工地盤が敷かれている。ただこの駅は三聖と違い、とにかく駅の規模が大きい。写真左手側には系統ごとに6つのホームが平行に並んでおり、時間によってどんどんと列車が発車していく。

駅としてはだいたいこんな構造をしている。北からやってきた電車は直接乗車ホームへ、西からやってきた電車は一度降車ホームを経由してからターミナルを半周して乗車ホームに向かう。発車の際は北行きの電車はターミナルをぐるりと周回するように走り、南東部分で入場線と交差して所定の場所に向かっていくのである。5年前に訪問した際もその規模のデカさと配線の面白さに惹かれてやってきたのだが、今回も結局同じ理由なのである。人間に進歩は無い。

 

人間に進歩は無いが機材に進歩はある。北から駅に入る場所(上の図で言うと右上部分)で望遠を構えてみた。背景が空ではなく高層マンションなのが香港らしくていい。若干車両のデザインが違うのはどうやらこれがハローキティの紅葉ラッピング車両らしい。

ここで朝10時前、さすがに前日の空港でカツサンドを食べてから無補給で貫き通すのも限界である。幸いにもこの駅上にいくつか飲食店があるのでここで朝食とした。

大快活という店に入ることにした。ロゴマークがめちゃくちゃリラックスできている。

朝食として腸粉とお粥のセットを頼もうとした。メニューがレジに無く奥にある看板に書いてあることを伝えなければいけないが、漢字は読めても発音ができないので看板を直接指差しして注文した。幸いにも注文することができた。

 

腸粉とフィッシュフィレが出来上がった。うそだよな。

しかもフィッシュフィレは絶妙にマズかった。

 

空腹を満たした後は引き続き軽鉄に乗ってさらに西方面へ向かうことにした。

蝴蝶駅。英字表記は本当にButterfly駅で、そういう駅名もあるんだな~っていう雑な理由で降りただけである。フリー切符なのでどこで降りてもいい。

鳴琴駅。ここは前の訪問時にに気になっていた場所である。写真にあるように駅南側の配線もさることながら、実はこの駅から西にすこしだけ歩くと別の路線、山景(南)、山景(北)という駅があるのだ。

これがその山景(南)駅である。ショッピングセンターの裏側のすこし掘割になっている場所にひっそりと佇んでおり場末感もある駅だ。この駅には505系統の兆康行きしかやってこない。その505系統は山景(南)、山景(北)と単線区間を進んだ後に本線へと合流する。

 

図にするとこういうことである。右方向(東側)からやってきた505系統の兆康行きは鳴琴駅に入らずに山景の両駅を迂回して北へ向かう、逆に北からやってきた505系統は両駅を経由せずに鳴琴駅だけ経由して東方向に向かうのである。路線バスのようなことをやっている。

そしてこの山景ルートを前回訪問時に、車窓から向こうの方を並走する電車を見かけてしまったというのが今回この駅を訪問した大きな事由である。

合流する場所ではひょっこりと電車が路地裏から出てくる。この町は上に異常発達したマンションのせいでどうしても縦アングルになってしまう。

ふと本線を見ると一味違う色の電車が通過した。どうやらこれは軽鉄開業時、まだ運営が香港鉄路(MTR)ではなく九広鉄路(KCR)だった時の復刻塗装とのこと。この車両がリニューアルでフロントデザインを変えていることもあり当時のスタイルとはちょっと違うようだが、まあいいものが見れた。実は早朝に屯門駅で見かけたのでどこかで出会えればいいかなあと思っていたのだが、いかんせんこの複雑なネットワークである。ここにしてようやく出会うことができた次第である。

次いで建安駅へ。この駅から東方向は高架線になっており、ここでも望遠の威力を発揮してくれるのではないかと興味本位で訪問。

また性懲りもなく縦アングルである。そりゃ背景に超高層マンションが映り込んでしまったら上を切りたくない気持ちになっても仕方がない。これまでのレンズでは撮影できないようなものなので満足した。ところで左の建物の中間部には間延びしたフロアがあるがこれはなんだろうか?香港に地震は殆ど無いので免震層というわけでもなさそう。低層階のエレベータと高層階のエレベータを乗り継げるフロアだったりするのだろうか。

 

ここからさらに北へ向かうが、以降は次回とする。写真が多すぎるのである、