新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

202303:オーストラリア訪問:メルボルンの電車③

前回の続きです。

setoutivrm.hatenablog.com

 

メルボルンで泊った宿は、ホステルではあるものの1階にパブが入っているという嬉しいもので、しかもルームキーを提示すれば割引も効いてくれるというお得な物。活用しない手はありません。

折角なのでチキンパルマを。めちゃくちゃサイズデカいです。開いた拳ぐらいのボリュームサイズなんです、そんなデカいサイズの油物なんですが、これが不思議なことにめちゃくちゃ食えるんですね、ビールと一緒に平らげてしまいました。旅行中は小食というのはどこへやら。既に胃袋がオーストラリアに適応したようです。

 

翌朝。チェックアウト。カウンターの兄ちゃんが日本語でツカレタ?って言ってきました。日本語は嬉しいけど最初にいう日本語がそれかい?

 

www.booking.com

 

さて、悲しいことにメルボルン滞在もあとわずか、昨日できなかったことを進めていきましょう。

 

St Kilda Junction

昨日は全然わからなかった電車のポイント制御。標識を見ると「Off Route Hot Spot Check your Table」と書いてあります。この場所で経路間違いが起こりやすいから、手元の行路票を確認しろと。少なくとも系統番号に応じて自動で制御してくれるというわけではなく、運転士がポイントを制御しているようです。車両で左か右かを設定し、分岐器手前の地上センサーで検知して切り替えるとかでしょうか…

 

Glenhuntly Station

規模のバカでかい路面電車があるということは、当然ヘビーレール路線と交差する必要があるということ。メルボルンにもダイヤモンドクロッシングがありました。日本で言う松山の大手町みたいですね。このGlenhuntly Stationと、Kooyong Railway Stationの2か所は現時点で残存しているようです。過去の訪問レポートだと他にも数か所平面交差が残っているように見えますが、どうも最近になって解消されたらしく、ストリートビューなどで調べても平凡な立体交差になっていました。

 

まあ、平面交差というのはリスクが非常に高いもので、ヴィクトリア州としても現状を看過しているわけでもなく、立体交差化を進めていました。駅の周辺にはもう空き地がかなりできており、いつでも高架の躯体を立ち上げられそうな雰囲気でした。

平面交差部。デケデケデケデケと特徴的な音を鳴らしながら通過していきます。近郊電車の方もすぐそばに駅があるので最徐行。通過列車も最徐行です。

 

訪問は朝ラッシュ時間帯。どちらの電車も結構な頻度で来てくれたこともあり、電車が電車を待つ光景を簡単に見れました。道路が狭いのでなお良し。

近郊電車。なかなかカッコいい顔立ち。

ちなみにこのメルボルンの近郊電車にもマスコットキャラクターがいるんですが、事故啓発の意味合いなのかそのマスコットキャラクターを”公式が”いろんな方法で惨殺している動画を上げていたりします。だいぶ狂っています。というか僕はこっちを先に知っていたので駅でみかけて「お前メルボルンだったのか…」と思ったものです。

www.youtube.com

サムネが百鬼夜行ですね。

 

で、この近郊電車に乗って一度Flinders Street駅へ。適当にCBDを歩いていたところ、SouthernCross駅についてました(?)

www.puzzle.coffee

メルボルンはコーヒー文化があるようで、ちょうど朝の出社時間帯を歩いていると待ちゆく人の7割ぐらいがコーヒーを飲んでいる印象。駅のコーヒーショップでひとつ買って電車を見ながらカフェイン接種をしました。

 

Spencer St.

さて、適度にCBDを歩いていた所でようやく今日のお目当てトレインがやってきたわけです。35系統専属の電車、W型です。

標準型として大量に生産され、そして現代にいたってもメルボルン市電の顔として現役で走り続けている車両です。いい例えが思い浮かばないですが、江ノ電の300形とかが似た境遇なんじゃないかなと思います。メルボルン外の各地へも譲渡され、場合によってはその場所で保存運転していることもあるとか。例えば遠く離れたサンフランシスコのMuniでも保存されていたりします。もし歴史が少しずれていたら土佐電が走らせていた可能性もあるかも。

www.streetcar.org

 

City Circleの名の通り、この35系統はCBDを完乗運転します。そのうえで、走行区間は全てFree Tram Zoneです。非常にわかりやすく観光用途な系統であり、しかも車内放送も沿線施設の紹介をする特別仕様。やっぱり観光用途です。その足でDocklands Driveへ。

お日柄もよく、笑顔が止まりません。それにしてもシングルアームの旧形電車ってバチクソカッコいいですね。最近地元広島で大増殖したらしいので、ちょっと帰省したいかも。

 

笑顔止まらんままCentral Pierへ。海が大好きなので海と電車を絡められそうな場所を探してます。

 

ここだけ切り取るとギリギリ日本と言われても違和感がないかもしれないですね。やっぱり英国文化圏は左側通行で気持ちがいい。でも車は消したい。消しゴムマジックを使いたい。

 

さて、上の写真から少しだけ東に歩くと近郊電車を大規模に跨ぐ橋があるわけですが、路面電車は橋の上で撮れのセオリーの元、折角なのでうろついてみます。わからん。

シタディス君。かっこいいね。

すみません。よくわかりません。お役に立てず申し訳ございません。

 

橋を降りてVictoria St.へ移動。ノープラン徘徊です。

こういう街路樹の中を電車が走る光景は今後色々な場所で見ることになるんでしょうが、少なくともこの時点ではお初。いいなあと恍惚な気分になってしまいます。

 

歩いて12-st Vincents Plazaへ

CBDの高層ビルを背景にシタディスくん。普通の分岐駅でも3線用意されているのは土地の使い方が贅沢でうらやましいですね。前の系統の右左折に詰まって後ろの電車が直進できないなんてこともないですし。

 

Paliament Stationへ

シタディスくんです。これ奥の部分が電停なんですけど、電停の道路の部分だけ嵩上げして車両ドアとの段差を極力減らしているんですね。さらにポールを適度につけて自動車が軌道に落ちることも防いでいる、これは見た時に度肝を抜かれました。まさかこんなオタクの考えた最強のバリアフリー化を実際にやっているなんて、これはぜひとも日本国内でも見習ってほしいところです。ほら、狭い道路に軌道を敷いている所なんてめちゃくちゃ日本にあるじゃないですか。嵐電の山ノ内とかもこれやってくれませんか。

 

引き続きCBDへ。

自家用車を撤廃し、軌道と歩道だけが道路空間に存在する、いわゆるトランジットモールです。これもぼくにとってはお初の存在。先のFree Tram Zone内部ということもあり、水平エレベーター感覚で電車を使う人も数多く存在しています。そしてなにより電車の本数が多い。何もかもがうらやましい。

 

じゃあ安全性はどうなのかというと、当然電車と歩道が柵も無く接するわけですから事故リスクは存分に存在するわけです。ぼくが暫く滞在している中でも、3歳ぐらいの子供が親の目を盗んで電車に突撃しようとして、寸前で親に回収されて軌道敷から離れていくという光景を目にしました。ここで触車事故が発生した場合に、その責任が電車にあるか、それとも電車の目の前に侵入した人間に責があるのかという部分で人間側に責を押し付けられるからこそ成り立っているのではないかと思います。日本の場合だと、まあ間違いなく電車、あるいは行政に責任が行ってしまうでしょう。導入は難しいのではと思います。趣味的にはめちゃくちゃ見たいんですがね。

 

うお~~~かっこえ~~~(語彙消失)

ああ、タイムアップです。後ろ髪をひかれながら空港行きのバスに乗り込みます。

 

 

 

絶対にまた行ってやる、そう思いながら飛行機を乗り継いで大阪の、梅北の知らない駅へ帰ってきたのでした。

 

おわり