前回の続きである。日帰りでブラチスラヴァに行った後、ウィーンへ帰ってきた。
最初から読む場合はこれ

2年前にもお世話になったウィーン中央駅1Fのコンビニで水を探したが、2年前と同じく軟水*1は全く売っていなかった。商品棚の中から比較的硬くない硬水を探して購入。出発時刻の10分前ぐらいになってホームに上がると既に乗車列車は据え付けられていた。

これから乗るのはオーストリアを中心に国内外へのネットワークを持つrailjetである。このrailjet、基本的には自国オーストラリアの連邦鉄道(ÖBB)が所有する車両がドイツだのイタリアだの他国に乗り入れていく*2のだが、チェコ方面に限ってはオーストリアとチェコの両国が同じ車両を保有し、どちらもrailjetとして走らせているようだ。今回引き当てたのは相手方チェコ鉄道の車両。ÖBBと対照的な青い車体だ。

超カッコいい見た目の列車を眼前にしてニヤケが止まらない。そんな下品な顔をしてはしゃぐアジア人おじさんきっと周囲はSo fooooolとでも思いながら見てたんだと思う。
…よく見ると客車の向きが逆である。本来であれば紺のラインは途切れないはずなのだが。
車両は全く混んでおらず、見たところ座席予約もブルノまではあまり入っていない様子。てきとうな2等の窓側席に陣取ることにした。大柄な白人の体格にあわせた椅子は包み込むようにフィットし、狭い印象は無い。

重たい貨物列車が走れるように入念に整備された線路を軽量客車が走るというのは、まあ心地よく揺れるものである。満腹の昼下がりにこのような環境に身を置くのは寝ろと言っているようなもので、実際に眠ってしまった。

Břeclavという駅に着いた。どうやら寝ている間にチェコへと入国していたらしい。気づかなかった。
全く関係ないがスロバキアもチェコも町の名前の打ち込みにすごく難儀している。地名はもはやGoogleMapからテキスト丸コピして貼り付けている。

居眠りをしていたということもあるが、気づけばブルノまで残り30分程度になっていた。食堂車に行くことはかなわず自席でぼんやりと過ごしていた。まったり走っているなあと思い通路上のディスプレイをみるとその速度は160km/h。日本国内の在来線最速*3とタイである。その割に揺れないのはやはり線路が頑丈なんだろうか。

ブルノについた。駅名はBrno hlavní nádražíである。hlavní nádražíというのはチェコ語で主要駅とかそういう意味合いがあるようで、ドイツ圏のHauptbahnhofと同義とのこと。覚えておこう。
そしてこのブルノに到着して真っ先に必要なのは両替である。チェコはEU加盟国で、またシェンゲン協定も加盟していることから出入りは自由であるものの、通貨はユーロではなく独自通貨コルナを使用している。手元には日本円とユーロしかなく、このままでは一文無しと同じである。クレジットカード決済でなんとかなることが多いと思われるものの心許ない。ATMでキャッシングすると小銭が手に入らないだろうなあと思い、駅構内の両替所でユーロ紙幣を崩すことにした。一度ユーロで引き出したモノをさらにコルナに両替するという、手数料的には損な行動ではあるが、それこそユーロが導入される前はフランやマルクやリラなど国を跨ぐたびに両替をする必要があったわけで、当時の周遊旅行の苦悩が偲ばれる。

駅舎の外へ出てさあ行動開始と思ったが、己の心よりも気まぐれな胃腸はそういう自由行動を許してくれなかった。というわけで折角外に出たところトイレの為に駅舎へ逆もどり。地下の片隅にある公衆トイレの世話となった。もちろん有料トイレである。駅舎のように床も壁も全てが白タイルの古いトイレで少し怖さもあったが、清潔だった。

ブルノの駅前には当然のことながら路面電車が走っている、こちらは先のブラチスラヴァと同様にタトラ社やシュコダ社の電車が大量に走っていた。向こうにしてみれば国産メーカーの電車を使うわけで、まあ当たり前なのであるが…注目すべきは線路である。ここは複々線なのだ。道路としてみるとそれなりの幅のあるところ、その大半のスペースを路面電車が占有し自動車が片隅に追いやられているのは圧巻の一言である。

複々線の区間は一駅間にすぎず、その両端駅からはそれぞれ複数方向へと線路が分かれていた。なので役割としては東武や京阪のような遠近分離ではなく、京急の金沢八景〜金沢文庫や、名鉄の神宮前〜金山に近い。いずれにせよ、大量の電車が来るのは見てて楽しい。しばらくこの区間に滞在して電車を撮りまくった。
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