新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

JR西日本_和歌山線:北宇智駅

知っている人は知っている、かつてスイッチバックがあった駅です。

スイッチバックというのは、ざっくり言えば勾配回避の苦肉の策で、この駅の場合は急坂上の本線に駅を作ると割と面倒なことになるからと本線から分かれた平地の部分に駅をこしらえている構造です。ただ、本線上に駅を置けないのは当時の性能の低い機関車列車だったからこそ、近年の電車列車では比較的簡単に坂道発進できることもあり全国的にその数は減っています。

この駅もおよそ15年ほど前にスイッチバック自体は解消されています。

 

 

今となってはありきたりな構造で、スイッチバック当初は写真右奥の平地の部分に駅施設があったようです。奥、そしてさらに奥の架線柱の根本、よくみてみると近接して勾配標がありますね。手前の勾配標は10‰の下り、その奥は21‰です。確かにこの急坂では昔は苦労していたんでしょう、きっとそうです。

 

振り返って王寺方面、上り勾配です。写真奥の踏切右奥にはレールが残っています。これが引き上げ線の名残です。王寺に向かう列車は一度引き上げ線に入った後、後退しながら駅の中に進入していたようです。果たしてここに踏切があると遮蔽時間がものすごいことになりそうな気がします。

 

引き上げ線は藪に覆われています。この写真とほぼ同じ構図でWikipediaに現役時代の写真があるので、それと比較してみると面白いかもしれません。

 

スイッチバック時代の駅はこのあたりにあったようです。今は更地、そしてJRの管轄地なので入れません。

 

右側は駅舎の敷地、中央の縞々より奥がホームになります。特に再開発とかもする理由も無く、また保守用地にもならず放置です。駅近の廃線跡とも言えそうです。