ケーブルカーの保存車です。東信貴ケーブル。
急こう配の斜面を登るという性質上、ケーブルカーの車体は基本的にナナメで、車内にも階段がついているもの、とすると平地では置くのに難儀するモノで、この車両の置かれている場所も斜面を造成して、その上にレールを設置したうえで保存しています。
ちなみに、訪問時点では露天でしたが、今は屋根もついているようです。
横から。車体にあわせて土地を用意しているのが丸わかりですね。
とすると気になるのが固定方法、床下をのぞき込んでみました。
ケーブルカーの車輪は片方がフランジなしというのは有名な話で、写真左の車輪がそのフランジ無しの車輪です。もう片方はフランジありですが、こっちのほうでしっかりレールに固着しているように見えます。さすがに斜面を上り下りするのに特化した車両ということもあって、保存時の固定も万全です。たぶん滑落なんてしないでしょう。
このケーブルカー、東信貴ケーブルと命運を共にした存在でもあります、そのケーブル線はこの信貴山下駅から出ていました。写真の先をずっと信貴山まで登っていました。最初にぼくがこの信貴山下駅で降りた時はまだこの場所には車両はおらず、近隣の学校敷地内に保存されていたそうです。
生涯を尽くした路線の傍で眠るというのは、なかなかに美しさを感じます。
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