新しい風に乗って

駅とか、旅行とか、鉄道模型シミュレーターとか、雑多。

202411台湾渡航⑦:安坑軽軌を訪問する。

 

11月の台湾渡航。ようやく台北へ移動した。前回の続きである。

setoutivrm.hatenablog.com

 

最初はこれ

setoutivrm.hatenablog.com

 

プッシュプル自強号

よくよく考えればこれまで乗った自強号は全て無座で、たとえ椅子が空いていても本来の指定席券を持っている客が現れたら席を譲らなくてはならないものだった。今回、初めて座席を指定して自強号に乗った。台北駅まで絶対に椅子を奪われることがないのでリクライニングを倒して安心して寛いだ。プッシュプル客車の自強号は加減速の際にそこそこの衝動があるものの、何より動力車が離れていて静かなのが嬉しい。

新宿NSビルではない

2時間ほど揺られて台北についた。駅舎内の吹き抜け空間の地べたに人が座っているのはこの台北駅お馴染みの光景である。駅の喧騒の中ここで弁当広げて飯でも食ったら楽しそうだなあ。

この日はもうどこか訪問する予定は無く、一度宿に入ってしまったらもう面倒くさくなって外には出れないと踏んだので駅ビルで飯を食べることにした。台北駅ビルの2F部分にはロの字型の回廊に多数の飲食店が出店している。今回は世界各国の料理を集めたフードコートの一角でホットプレートの料理を食した。ペッパーライス的なやつだ。ちなみに、私は電車に興味はあるが食事にはそこまで興味が無いので食事の写真は無い。

 

この日の宿は台北駅から南に数分ほど歩いた場所にある「美好行旅(WonderTime)北車3館」という宿だ。

booking.owlting.com

 

宿の形式としてはドミトリーにあたりシャワーやトイレはフロアで共用になる。しかしドミトリーとはいえど、各ベッドはカーテンで区切られコンセントも付いている。見てくれはフェリーの半個室のようなものだ。私がドミトリーを毛嫌いしている理由の大半はカーテンがなくパーソナルスペースに他者からの介入が容易にできてしまうからである。空港で泊まる場合は割り切っているが宿泊施設ではそうもいかないのである。これぐらいの設備だと事前に分かっていればドミトリーでもいいかなと思った。こうして泊まれる場所の許容範囲が広がっていくのである。
新しい施設のようで、設備の清潔度には申し分がなかった。シャワールーム併設のトイレ用センサーの反応が良く、衣服を近くに置くだけで蓋がパカパカ開閉してるのは気になったが、気になるのはそれぐらいであった。

 

朝になった。この日は帰国する日である。

 

この施設は嬉しいことに朝食がついてくる。本当にシンプルなものではあるがゆで卵とトーストだけ調達して最低限のエネルギー源にした。昼までは持つだろう。

宿のチェックアウト後、特に用は無いが西門地区へと向かった。この地域は台北市内の若者向けの繁華街で昼〜夜にかけてはものすごく賑わう場所だが、さすがに朝方はガラガラだった。夜行バス降りた直後に新宿駅の東口に向かうのと同じような感じである。

地下への階段を降りた先には知らないキャラクターの誕生日を祝う広告が掲示されていた。調べてみると台湾のVtuberへの応援広告らしい。有志で資金を集めて”推し”を祝う広告を駅に掲示するというのは最近日本でも流行りつつある風習で、元をたどれば韓国のセンイル広告というものだ。東アジアはオタク文化を相互に輸出入して“高み”と“和平”を目指しているのだ。とすると日本も何か台湾独自に発達した面白いオタク文化を輸入できないものだろうか。あるのかなあ。

 

さて西門から地下鉄に乗り込む。この日の当座の目標は高雄、淡海に続く台湾3つ目の路面電車、安坑軽軌を訪問する。まず松山新店線に乗り、大坪林まで南下した。

大坪林では長いエスカレーターを下って環状線に乗り換えである。ここまで乗ってきた松山新店線のラインカラーは緑。エスカレーター部分の天井も緑に照らされている。

台北環状線は環状を名乗るがまだ環状運転できるほど路線が伸びていない建設途上の路線だ。そのうえ、2024年の4月に発生した花蓮地震で設備が損傷したらしく真ん中の区間が運休。路線が2つに分断されていた。そのあおりを受けてなのか、こちら側(大坪林~中和)は運転間隔が本来よりも開いているということが駅の各所で掲示されていた。

この路線は自動運転で前面展望ができる。なんで日本には鉄輪式の無人自動運転が(現時点で)存在しないのだろう?

十四張駅に到着した。ここでようやく軽軌に乗換をした。日中時間帯は毎時4本と思っていたより列車本数が少なく駅で待ちぼうけになった。

不提供載客、そう表記するんすね。

高雄のライトレールは諸外国から車両を輸入しているが、この路線では台湾島内で製造された車両が使われていた。もちろん乗降口に段差のないバリアフリーな車両である。那覇にライトレールを敷く構想があるらしいが新潟から輸送するより台湾から輸入したほうが安いかもしれない。

とりあえず乗り通して終点の雙城に着いた。めちゃくちゃ郊外である。もうすこし何か駅前にあるのかと思っていたが、想像以上に閑散としており拍子抜けした。そりゃ運転本数も(大都市近隣の都市交通の割に)少なくなるなあと思った。

トンネルの向こうには車庫があるようで、列車が引き上げて行った。終点側に車庫を設けた場合、土地取得の面では利点があるものの区間運転が難しくなる。この路線も途中までなら毎時6本ぐらいはあっても良いと思ったが…。

台湾にもチャイナタウンがあるんだ

せっかくなので隣の駅まで歩き。そこから電車に乗って戻ることにした。個人的には、同じ台北の淡海軽軌よりは前途多難かなあと思った。いやまた採算とかは関係ないんだろうけどさ。

十四張駅に戻り、環状線に乗り板橋方面へ。この先で不通区間を跨ぐことになるがどうやら代行バスがあるとのこと。

中和駅に着いた。電車が走っているのはここまでである。

物々しい高架をしているがこの駅は狭い道路の上に線路を通したためなのか上りと下りで二層の高架になっていた。その構造のせいで異常時に上下線を転線することができず、二層区間の入口まで来た線路を逆行する必要があるようだ。運転間隔が間延びしていた要因はきっとこれだろう。

駅の看板に従い代行バス乗り場へ。そう待たずにバスがやってきた。免費、つまり無料バスである。改札機をバス乗り場に持ってこれないための苦肉の策だろうか(日本でも都市部の鉄道代行は改札の扱いに難儀してる気がする)

 

続く。

setoutivrm.hatenablog.com