前回の続き
最初はこれ
美術館駅で台鉄から高雄環状軽軌(ライトレール)の線路に沿って歩き、訪問したいと考えていた場所へと向かう。この路線はその名前の通り環状の路線で、前回の訪問時は一部区間のみ(時計の5時~9時ぐらい)しか開業していなかったが、5年の間に全線開業していた。前回記事の末尾でちらりと触れたが、台鉄が地下化して空いた地上部分に線路を敷いている他、旧貨物線を転用している区間もあるため地下化後半年しか経っていない前回訪問では全通のしようがなかったのかもしれない。

美術館駅から北東方向に、時計の10時から11時の方向へと線路に沿って歩いていく。ちょうどこの写真のあたりが訪問したい区間である。緑色軌道ということで、路面軌道が緑に覆われている区間となる。似たような景色は日本ではあまり見られないが、ヨーロッパで見ることができるし、私も以前オーストラリアはメルボルンで見ている。
(参考:メルボルン)

しかしここ高雄では2つだけ気になるところがあり敢えて訪問したのである。1つは複線の真ん中にも樹木が植えられており電車と樹木との距離が近いということ、もう1つはバッテリー駆動で架線が無い路線であるがゆえにスッキリした見た目になるのではないかということである。
美術館駅から電停2つ分ほど歩いて美術館電停へ。台鉄と軽軌で異なる位置に同じ名称の駅名(電停名)があるが、電停の方が美術館は近い。なお台鉄駅前の電停は「台鉄美術館」とのこと。国鉄千葉駅前と京成千葉が共存してた時代みたいな、そんな感じの奴だ。

電停の端に陣取り、奥から列車が来るのを待っていた。しばらくすると奥方面に向かう列車が通り過ぎて行った。うん、良い感じだと思う。方向幕は英語スクロールで「counterclockwise」である、つまるところ反時計回り。漢字では逆行と表示されていた。反対向きは「clockwise」、時計回りが正のようで漢字では順行として表示されていた。周回方向が図示されていれば文句は無いのだが…
ちなみに日本ではこのようにclockwise/counterclockwise表記を大々的にしているのは名古屋の名城線ぐらいだ。なお外回り/内回りと表記すると日本と進行方向が真逆になることに留意しなければならない。
さて、こっちに向かってくる電車(順行)を待っているわけだが、待てど暮らせど一向に来ない。電停で待つ間にも逆行の電車は通り過ぎて行くし、なんなら日没も近い。

結局、30分ぐらい待って電車が来る頃にはすっかり日没した後だった。何だったんだ。

日も沈んだので宿の方に戻ることにした。愛河之心という電停からMTRの凹子底へと乗り換える。電停と駅名が違うが愛河之心というのは電停近隣にある親水公園の名前、凹子底というのは普通に地名らしい。
MTRに乗って美麗島へ。駅コンコースがステンドグラスで彩られた美しい駅である。美しい駅だから美麗島というわけはなく、しかも美麗島という地名がこのあたりにあるわけではないらしい。なんでも美麗島というのは台湾の別称で、その名前を冠した雑誌に起因する民主化デモと言論弾圧があったとのこと。(ソースはWikipediaであることに注意)
地名でも施設でもなく、事件・イデオロギーが由来の駅名という。平壌の地下鉄か?

あれ?ついていない!
…どうやら、プロジェクタか何かで地面にイベントの広告映像を映している都合で消灯しているようだ。これには拍子抜けであった。写真にするとそうでもないかもしれないが実態としては駅構内にあるまじき暗さであった。
以前はこの駅近隣に宿泊したこともあり近くに夜市があることを知っていたが、胃袋の調子があまり良くなく揚げ物は厳しいと判断。駅施設内の店で夕食を取ることにしたが、7割ぐらいは日式料理である。残り3割の中で比較的良心的な値段だった店に向かった。「毛伯伯牛肉面 美麗島店」と言うが、まあ多分チェーン店なんだろう。魯肉飯を頂いた。後ろのテーブルが日本人で、普通に日本語が聞こえてきたし、店内BGMもなんか日本人に合わせてなのかJ-POPが流れ始めたのでここがどこなのかわからなくなりそうだった。

食事を終えて駅コンコースに戻ったらステンドグラスが点灯していた。やったー。

駅コンコースを徘徊していると、ようやく高捷少女の姿を見つけることができた。コインに絵柄をプレスしてお土産にできる「ペニープレス」という装置だ。アメリカでは本当に客が入れた硬貨をプレスしてしまうが、台湾ではどうなんだろうか。ちなみに日本ではそれをやると違法になる。
1駅北上し、台鉄との乗換駅でもある高雄駅へ。ここも以前は工事中という形相だったが、果たしてどんなものかと思い訪れた。電車を降り改札を出た。

改札を出た目の前の光景がこれである。アニメイト。うそだろ。
中身もだいたい日本のアニメイトと同じだった。何か家にあるマンガが翻訳されていれば持って帰ろうかと思ったが見当たらなかった。
高雄駅の地下1階は高雄駅一番街と称してサブカルチャーが集積されているようで、このアニメイトの他にもゲームセンターだのホビーショップだの、あと日本でも時折見るレンタルスペースの中古品屋(アクリルケースにオーナーがグッズを並べて客がその中から欲しいモノを探すタイプの店)があったりと様々だ。市の代表駅の地下にこんなオタク空間を集積してしまうとはまあ随分懐の太いものである。今後高雄駅地下育ちのエリートオタク青少年が訪日してくる日も遠くはないのかもしれない。
高雄駅から歩いてこの日の宿「SINGLE INN」へ。窓が無くベッドとアメニティだけ置かれた客室で、風呂トイレ共同であるが朝食つきで5000円相当であった。
飯は外で済ませてきたので風呂に入ってちゃっちゃと睡眠をとることとした。ホテルには大浴場が備わっていたものの海外の安宿の大浴場である、リスク回避でシャワーで済ませた。
寝る前にトイレに行ったところ、ここのホテルは紙を流せないトイレとのことだ。台湾では紙を流せるトイレと流せないトイレがあるらしいが、思うに以前の台湾、そして昨年家族で行った台湾でもトイレについてあまり深く意識していなかった。もしかするとこれまでの台湾旅行で実はやってはいけないことをやっていたかもしれないのではないだろうか。ふとそう思ったのだった。
続き