最近”出る”駅らしい。

北海道の極めて東、根室市にある駅である。写真を見ればわかるように、駅周囲は森林や草木に覆われている。

駅ホーム上から。主要国道ではないが、線路に並行して道路が通っており、時折車が通過する。また、踏切を越えて写真左奥に向かうと昆布盛の集落、そして港がある。ここに向かう車も若干ながら見かけた。あとは駅巡りの者ども。北海道全域が消えるかもしれない駅(あるいは路線ごと?)認定されているようなもので、この駅も訪問時はツーリングでこの駅を訪ねている人がいた。私はバイクには乗れないが、秋口の北海道を自分のバイクで走るのはめちゃくちゃ気持ちがいい行為だと思う。

サッポロビールの部分が消された琺瑯看板もあった。これは北海道ではよくあるもの。特筆するものはないが、いかんせん”出る”という情報を知っているとおちおち撮影できる状況ではなかった。

周りに人家のない駅であってもさすがに酷寒地のことである。待合室はきちんと用意されている、この待合室は少し変で、床がめちゃくちゃ盛り上がっている。踏むと軋むわけでもなく、しっかりと硬い。何が原因なのかわからないが、何かびっくりハウスなんじゃないかというぐらい盛り上がっている。
で、この待合室で次の列車が来るまで1時間待つわけだが、この1時間出る可能性に怯えていたわけである。幽霊とかオカルティズムの話ではなく、普通にヒグマである。
2024年は根室市域でヒグマがかなり目撃されているらしく、この昆布盛駅も訪問2週間前に目と鼻の先の位置で目撃されているようなのである。普通は人間の生息域には出てこないものだが、この昆布盛駅は立地条件からするとかなりヒグマ側に寄り添った場所にある。出会ってしまっては勝てる見込みが無いので素直に待合室で列車が来るまで大人しくしていた。(当然、時間があるからと隣の駅まで歩くこともできない)

人間様がここにいるぞということを伝えることがヒグマ対策では効果的だと言われている。(人の味を覚えた個体を除く)そのためこの訪問に際しては笛とびっくりチキンを持って来ていた。どちらも尋常ではない音を出すモノで、大変に役に立ってくれた。今後北海道の駅を巡るときは笛は持参しようと思う。びっくりチキンはもう帯同させない。とにかくかさばるし、無理にカバンに突っ込んだら歩くたびに声をだしてきやがる。