新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

JR西日本_紀勢本線:湯川駅

海のよく見える駅だ。

紀伊半島自体が沿岸部まで山地のせりだしてくる地形の上に、肝心の海岸も入り組んでいるなかなか鉄道を通すには金のかかる場所、この駅も限られた立地に設置されている。並行する国道42号も建設に難儀したのだろうか。

駅から見える範囲に良い感じの砂浜がある。入り江なうえに波もそこそこくるようでサーフィンの練習をしている人を見かけた。この日は9月の頭でまだ残暑どころか夏の日射であった。列車を待つついでに海水浴でもしたい気分に何度もなったが生憎海水浴は一人かつ車も無い人間ができるようなレジャーではない。おとなしく日陰から指をくわえて眺めるしかないのだ。

 

駅舎は線路と国道の間に用意されている。PCコンクリート造の頑丈なものだ。一応駅の至近にバス停もあり乗り換えは至便であるが、そもそもここで乗り換える需要もなく、また駅の周りの集落も少ないために設備を持て余しているように見える。

 

ちなみにこの区間では普通列車に自転車をそのまま乗っけられる「サイクルトレイン」があるのだが、この駅には階段しかないので自転車を気合で降ろす必要がある。大きい駅では階段の隅に自転車用のスロープを追設していたが、小さい駅なのでそんなものはない。ただ国道そばという割と観光客が”脱落”目的で使う可能性はあるので何らかの改善があると嬉しいところである。

 

さてこの駅には頭を悩ませることがある。一つは駅舎とホームを結ぶ階段以外に屋根が無いこと、炎天下の場合会談で待つことになる。これはまあ乗降客が少ないので仕方がない。

もう一つの問題、それはホーム上の駅名標が柵の向こうにしかないことだ。どうも吊り下げタイプの駅名標は屋根の撤去と一緒に無くなってしまったらしく、屋根が無いので当然縦型の駅名標をかける場所も無い、そして短編成化で柵を設置したので見事に駅名標を撮れない駅の完成である。そして訪問スケジュールとしても手前から来た電車で降りて手前に向かう電車で折り返す、つまり柵の奥には行かない。ということでこの駅の駅名標は撮れなかった。

 

もし2023年9月以降に湯川駅の駅名標を撮っている人間が居れば教えてほしい。そいつは柵の奥までずかずかと侵入してる不届きな人間のはずだからだ。