生まれも育ちも広島という路面電車の走る町。路面電車というのは他の鉄道と比べて特にバリアフリー意識の高いもので、21世紀になったあたりからいかにして床を下げるかに躍起になってきたものです。ステップ1段が許されるディーゼルカーとか、ドア幅700mmでもいいような特急型とは大違い。
で、バリアフリー意識が高い町で育った僕はもちろんバリアフリー意識が高いもので、ローカル線の苦心したバリアフリー駅を見ると高評価しがちです。
というわけでこの駅。駅舎が右側にある癖して左側に珍妙な構造体があるわけです。つづら折りになったこの構造物、実は車いす用のスロープなんですね。養老鉄道…というよりかはこれを作ったのは移管前、つまり近鉄なんですが、さすがに大手私鉄だけあって車いす用のスロープは用意してくれたようです。まあ経営のよろしくない路線なのでエレベーターをおいそれとつけるわけにはいかんかったんでしょう。
そもそもなんでこんな岐阜の片田舎に高架駅があるかって言うと、近くの河川の堤防を高くしたからだそうで。結局のところ田舎の高架駅って基本は渋滞か治水で生まれるんです。
ちなみにこっちはスロープはなし。近鉄もさすがにそこまでは面倒を見てくれなかったみたいですね。
下から見上げたスロープたち。美しいですな。
駅構内です。高架駅です。奥がその川です。