新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

IRいしかわ鉄道_IRいしかわ鉄道線:倶利伽羅駅

新幹線の開業と同時に生まれる並行在来線、その出資元が都道府県であるからか、県ごとに会社が作られるのがセオリーだ。(肥薩おれんじ鉄道という例外もある)そのため、隣県の並行在来線会社との境界駅は、必然的に県境近くの駅となる。

ここで、県境というのは基本的に山や海、河川といった自然地形の上にできるものだ。人間の往来が難しければ、その手前と奥で文化や世俗というのも大きく変わってくる、ゆえに何かしらの境が生まれてしまうわけだ。

IRいしかわ鉄道とあいの風とやま鉄道、旧北陸本線を石川県と富山県で分割した時の境界駅はこの倶利伽羅駅となった。倶利伽羅峠という言葉があるように、平野から離れた、峠の手前の駅である。

 

ここの会社境界というのは自治体の都合で設定されたもので、実態としてこの駅が教会の機能を有しているのは運賃程度である。他所では県境が近づくにつれて電車の本数も少なくなっていくパターンが多いが、ここはそれに当てはまらない。全てが富山県側と石川県側を跨いで運転されている。

石川県側に存在するのでIRの管轄となっている。もちろん、隣の駅は富山県。1000年ほど前にこの一帯で源氏が平家をボコしたらしく、それをアピールする看板が駅近くに用意されていた。さては源氏派だなおめー。

 

よくみるとJRが浮き出ている。

 

駅舎を通り抜け、雪国特有の屋根付き跨線橋にはイラストが描かれていた。牛の角に炎というなかなか暴力的なイラストであるが、これも先の平家をボコした時に使った戦術らしい。おれがこんな牛に対面したら逃げる。

 

こちらは駅名標。きっと転換直前はIRの上にステッカーでJRロゴが貼られていたに違いない。JRを剥がしたようには見えなかった。

願わくば、新幹線開業前の北陸に引きこもりたかった。