ハドソンの亡霊がいる駅だ。
桃太郎伝説の地といえば、岡山県が有名だ。鬼ヶ島は瀬戸内海に浮かぶ女木島で、そこに向けて家来3種類の弱すぎる戦力で乗り込みに行ったとされている。
しかし、仮に鬼ヶ島が瀬戸内海に浮かんでいるとすれば、岡山以外からも当然鬼退治に向かうことがあるかもしれない。岡山の対岸、香川県高松市は鬼無にも桃太郎の伝説はあるらしい。しかもこっちは地名からして鬼をお断りしている。正直こっちに分があると思う。
駅舎は量産型国鉄駅といったシンプルなもの。入口左側に樽生という非常に興味をそそる立て看板があるが、これは駅舎に入居している中華料理屋のモノ。決して駅構内でビールを売っているわけではない。時間があえば飲酒に走ろうかと思っていたが、あいにく営業していなかった。
事実上、岡山に桃太郎伝説を奪われている状態だが、鬼無には代わりに桃太郎電鉄がある。桃太郎と、キジとサルと、貧乏神。イヌはいない。夜叉姫もいない。
赤字JRの駅構内に貧乏神を置くなんて、自虐がすごいと思う。さらに昔はこの石造の背後にでっかくキングボンビーの描かれた看板があったらしい。すげえわ
桃太郎電鉄を開発したハドソンは約10年前に散った。ハドソンをコナミが買収した。その後の桃鉄シリーズではがらっとキャラクターデザインが変わってしまった。昔はゲーム中のほぼ同じ位置(物件駅・高松付近)にも石像があったらしいが、それも無くなってしまったらしい。
そんな外部環境にもかかわらず、きっとこの石像は当面の間ハドソンの亡霊として残り続けていくのだろう。