島式ホーム1本に上り下り1線、さらにその外側に通過線を持つ駅、これは特急街道の風格ですわ。
東武日光線は今でこそJRに直通して新宿や場合によっては八王子から客を運んでいるものの、その昔は国鉄とバチバチに客の取り合いをして、国鉄が準急に特急の設備とそん色ない157系という豪華な車を入れたかと思えば、東武はデラックス・ロマンスカーという車内にジュークボックスがつくようなバケモン設備を持つ特急車を入れて張り合う情勢だった。
そりゃ何でもかんでも特急優先、特急至上主義、普通列車なんてたかが知れている、そんな思想もあってか、通過線のある駅も多く用意していった。この辺りは今でも近鉄の伊勢・鳥羽・志摩線もかなり似たことをやっている。
しかし、今でも1時間に5本~6本特急を通してしまうこともある近鉄と比べ、東武は多くても3本。普通列車の数も減り、果たしてそんな退避駅は必要なんだろうか、その答えが1枚目である。そもそも、この写真がどこから撮られたか、そして真ん中の線路は何故架線が貼られていないのか。妙にさび付いているのか、そういうことである。
ああ、諸行無常。ホームの無い通過線を走っているはずのスペーシアがホームを走っている、そして奥の上屋も全幅を覆うには物足りない、そういうことである。埋められてしまった。
もし客が多少でもいれば、雨の日に濡れるのを防ぐためにも上屋を近づけるであろう、実態はこうである。そんなことはない。それと関係なく跨線橋に蜂の死骸がめちゃくちゃあった、人が使っていない。
駅舎は普通の木造駅。とはいえ全国で唯一産業革命の再発明をしている東武鉄道のことだから、そのうちこの辺りもSLが走ってはレトロ調に塗り替えられるかもしれない。