新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

JR九州_日豊本線:重岡駅

この駅を紹介する前に重要な背景情報としてこの駅が含まれる日豊本線佐伯〜延岡について説明したい。


少し鉄道趣味をかじってる人であれば「宗太郎越え」という言葉でピンとくるだろう。日豊本線の佐伯〜延岡は普通列車の本数が全国の路線と比較しても少ない部類に入ることで有名である。この区間を通り抜ける列車は朝に両方向へ1本、夜に延岡から佐伯への片道1本のみで、あとは全て区間ノンストップの特急列車である。区間運転を含めても佐伯から途中の重岡まで夕夜間に1.5往復が加わるのみという状況である。

当然、この区間青春18きっぷなど特急列車に乗れない切符で通り抜ける場合はかなり入念にプランを立て、佐伯や延岡に宿泊することを念頭に入れておかなくてはならない。事実、私が以前通り抜けた時も佐伯に宿泊し、朝の延岡行きを掴んだ。

ただ乗り通すならこれでオシマイの話である。しかし問題は駅を降りていく趣味をやっていること、そしてこの区間に9つも駅があることである。ついでに言えばカレンダー勤務なので訪問も必然的に休日となり、平日だけ走るデマンドタクシーやコミュニティバスは使えない。そこで色々と考えていたのである。以下の記載は全て2024年3月改正時点の情報である。

延岡側の5駅、宗太郎、市棚、北川、日向長井、北延岡は朝一番の佐伯行きに乗って5駅いずれかで下車、折り返し延岡行きに乗って帰ってくるパターンしか事実上存在しないが、北川~北延岡の3駅は休日も走るバスを掴んで延岡に脱出することができる。以前に延岡→宗太郎→北川と訪問してバスで抜けたため、あと3駅である。

佐伯側の4駅、上岡、直見、直川、重岡については朝と夕方にチャンスがあるが、朝便は上下列車が重岡で交換するため上岡~直川の3駅いずれかの訪問となる。では先述の区間運転の列車を掴みたいところであるが、この列車も夕方に1往復、夜間に重岡行きが走るのみで、明るい時間に訪問するとなると夜間の重岡行きは使用不可能。さらに夕方の1往復は割と遅い夕方なので冬場であれば重岡駅到着時点で日没を迎える。

今回、日照時間の比較的長い4月末に夕方の列車で重岡へ突撃、復路を直見で下車。約7kmを歩いて上岡駅近くのホテルにたどり着いたうえで翌日の列車を上岡から乗り込み、直川で下車、折り返して佐伯に帰るというプランを立ててこの4駅を訪問した。正直に言って、このプランを導き出した時には一種の感動を覚えたものである。限界のような本数の路線で列車とバスと、そして最後自分の足で歩いて訪問数を増やしていくのである。このようにしてかせぐのだ。

ちなみに宗太郎と北川の訪問も数年前のGWである。きっと数年後のGWに未消化の市棚、日向長井、北延岡をなんとかすることになるだろう。

 

長々と書いたが、まあ要するに旅程の自惚れである。

駅についた感想としては、思っていたほど何もないわけではないというものだった。写真は宗太郎側、さらに先に宮崎県境が控えており山に入っていくというのは納得できる。

 

逆の景色はこれである。住宅もちらほらと見え、ここが下り1本、上り3本の駅とは到底思えないが、ここは佐伯市になる前は宇目町で、買い物や日常利用としても佐伯方面ではなくかつての宇目町の中心地(鉄道は通っていない)方向になるのかもしれない。

 

駅舎は簡易的で仕切りの類は無い。まあこればかりは仕方ないと思う。

ホームの使用頻度としては手前から順に、1本/日、2本/日、1本/日となる。(たぶん)

跨線橋で向こうのホームに渡るものの跨線橋のフェンスと反対側のフェンスの間で蜘蛛の糸が張られていた。限界ローカル線ではよくあることなので顔に蜘蛛の糸がつくのが嫌な人は腕を前に振り回しながら歩くのがいい。

 

どうにかして名所を探し出した苦心の跡を感じることができる。バスは無い。というか名所に30km先の標高1000m越えのガチの山を仕込むではない。