新しい風に乗って

駅を訪問したり保存車を訪問したりする方のブログです。

じゃあ夜行列車ってできるの?

1か月に1回ぐらいは、夜行列車待望論がどこからともなく湧いて、どこかへと消えていきます。

それが起こる要因として、バスが事故ったり、クルージングトレインを妬んだり、大物鉄道オタクが何かつぶやいたり、があげられます。

 

私自身、夜行の乗り物というのは列車に限らず、バスでも船でも飛行機でも好きです。朝を迎えて自分が昨夜から遠く離れたところに来たのだなあという感慨を得ることができて、昼行より好きなのです。

では、実際問題夜行列車ってできるんですかね?ブラックニッカでも飲みながら考えてみましょうか。

 

夜行列車を運営すると仮定してまず問題になるのは、料金でしょう。現在の制度では、例えば東京大阪を移動する場合、その移動というコストに8750円かかります。もうおわかりでしょう。負けです。在来線で4列で移動しようが8750円です。同じバスだと4列トイレ付きでも6000円もかからないです。負けです。何度も言います。負けです。

 

そう、乗車券があり、それを持っていれば(特急券とか他の券が必要になるものの)新幹線にも特急にも快速にも普通にも乗れるというこの制度が逆に乗車料金の部分の値下げができないという仇となっているのです。つまり、最低保証8750円。

これを何とかする方法としては、ツアーパッケージにするということがあげられます。つまり、運転開始当初のトワイライトエクスプレスのように、旅行代理店が列車全てを借り上げたツアーを設営し、そのツアーに参加するという形をとるわけです。新幹線出張パッケージでも往復の乗車券特急券の価格よりも設定価格が安い場合がありますよね?それと同じ理屈です。当然、乗り遅れたときの救済は無いです。

 

ツアーにした場合、別件としてこんな恩恵があります。

 

例えば、先のように乗車券制度で考えると、たとえ東京大阪で夜行列車を利用したとしても、現行の制度では乗車券を見ただけではその人が新幹線なのか在来線なのか判別できないわけです。新在判定の■■□□□□・・・・記号がかかれていても、です。つまり、夜行列車の収益が特急券など料金券頼りになるわけです。ツアー形式にすれば、数値上はツアー参加料金分すべてが夜行列車の収益判定に関わるわけです。

 

もう一つの恩恵として、柔軟な価格設定があります。夜行列車というのは、自由席が設定されていたか過去と異なり、定員以上の乗車はありえないわけです。つまり、人を乗せられる上限は決まっているわけで、仮に一人乗らなければ、翌日以降にその一人分の利益を回収することができないわけです。そこで、誰も乗せないよりは、薄利でもいいから人を乗せるほうがいいということになるわけです。要するに、販売数に応じた柔軟な価格設定ができるわけです。これは定員の厳格な飛行機や高速バスに近い感じです。

 

デメリットとしては、あくまでもツアーであり、通常の定期列車ではなく団体臨時という扱いになるため、みどりの窓口で買えなかったり、当日、直前に買えないということですね。ビジネスとか、乗り遅れマンには不向きでしょうか。

 

ここからはツアー方式で運営した場合を考えます。次に、車両についてです。

 

バスに対する鉄道のメリットとして、寝台が設置できることがありますが、正直に言うと寝台需要があるのかと思います。東京大阪で利用する場合、先のツアー方式だとビジネス利用を切り捨てます。そのため、掴む需要としては、とにかく安く行きたい人を想定します。バスと同様の装飾と仮定すると、4列トイレ無しとなりますが、さすがに大量輸送できる(その分だけ一人当たりの職員割り当てを減らせる)という鉄道の恩恵もあり、トイレ有りでもバスの4列トイレ無しと同等の価格は確保できるのではないでしょうか。大量輸送を行うとすれば2階建てが望ましいですが、初期投資を抑えるのであれば適当な余剰特急型を持ってくるのもやむを得ないかと思います。もちろん、騒音の多い動力車は割引するというプランも。

 

鉄道利用で劣るのは開放休憩が難しいことです。24時間ひっきりなしに車の出入りするSAとは異なり、深夜の駅構内は何もありません。一方で、車両内にサービスコーナーを設けたとしても、それ相応のコストがかかります。開放休憩は切り捨ててしまわないといけないと思います。

 

運転手は、線見をしなければならない都合上今と同様のスタイルで途中駅ごとの交代にしなければなりません。乗客の民度にもよりますが、車掌は2人いるかどうかは悩ましい限りです。早々減光してしまえば大丈夫だと思うんですけどね。

 

他には、改札の問題があります。ツアーで私が列車に乗った時、乗車券はバウチャーでした。当然自動改札は使えず、有人窓口です。この夜行列車がツアーだとすると同じような人々が大挙して駅の有人改札に押し寄せてきて大変なことになります。対策としては、完全に独立した改札体型を作るか、全く新規に乗降所を作ることでしょう。改札の時間を短縮するために、車内にQRコードリーダーを設置してみてはと思います。コンビニとかも近くにあればいいですね

 

区間の例示

東京~大阪

・東京浜松町駅(貨物線ホーム)ー横浜羽沢(貨物線ホーム)====京都西大路駅 (京都貨物ターミナル)ー安治川口駅(貨物ホーム)

東京からUSJに向かう列車の例を示してみました。浜松町はそのうち羽田線関連でいろいろ動き出すでしょうが、大阪駅付近も北梅田駅ができてしまうので、その関係で止められなかったです