入国審査

入国審査とは、自分自身がその国に入国する資格があるのか否かを決めるものである。滞在ビザが無い、パスポートの有効期限が十分に無いなど、その国それぞれが定めているものの他、審査官の裁量にも依るということもあるのではないだろうか。そしてこの審査官が重要な役職で、国によってはそれはそれは軍服のような制服なのである。

入国審査。多くの窓口にそれぞれ列ができている。最後尾に並び、そこで自分の順番になるまで様々なことを考えていた。

はたして、どのような表情で審査官に向かえばいいのだろうか。

一般的に、パスポートや免許証の人相はリアルのそれよりも悪い。私も例外ではなく、免許証でもパスポートでも、まるで前科二犯のような顔をしている。審査官に対してそのような顔で向かってもよいのだろうか。確かに、人相が違いすぎると弾かれる可能性も無きにしも非ずだ、しかし一方でその人相にするというのも本当に前科二犯ではないかと疑われ、入国拒否されてしまうかもしれない。

目をつぶるのはどうだろうか、いやこれもやましいことがあるのではないかと疑われてしまうのではないか。普通の人は入国審査で目をつぶる必要はないのだから。

そして声を出すべきか、挨拶はするべきなのか。いや何か向こうが言葉を発したらどうしよう、英語ならまだともかく、現地語では何を聞かれても分からない。他人にHELPを頼むこともできない。

 

思っているうちに、自分の番が来た。パスポートを出し、緊張で生気を失った顔をしていた。不備はないか、帰りの航空券もちゃんとはせてあるか…顔写真のページにはせてあるか…

 

 

ジロジロ見てくる。

 

どれぐらいたったであろうか、ふと気づくと目の前にはハンコの押されたパスポートと航空券があった。

おそらく実際には1分もかかっていないのであろうが、体感時間としては5分も10分もあるようだった。

終始無言であった。海外で一番疲れるのは入国審査かもしれない。