突然ですが、貴方は海派ですか?それとも山派ですか?
僕は海派です。というのも、海と山だと、海の方が身近な気がするからですね。
広島のデルタ地区に住んでいると、確かに山は遠目に見えるんですが、山登りをするとうよりかは、例えばかるが浜とか江田島とかで海水浴したり、あるいは漁港とかで釣りとかに連れてってもらったりと山よりは身近な存在でした。そして、市内を流れる6本の川も、潮の満ち引きの関係上実質的に汽水だったり、あるいは霧の日には遠いところから船の汽笛が聞こえてきたりと、なにかと海の方が近い生活でした。
それに引き換え、山だと登山とかは基本的に車ですし、徒歩で上ったとなると比治山ぐらいしか思い浮かびません。いや、本当に。小学校の遠足で比治山6回上ったなーぐらいの感覚です。
それでも、広島に一番先に雪を教えてくれるのは山でした。市内から見ると3方向に山が存在します。その中でも北東方面の山は山陰山地に近いこともあり、一番雪を被る可能性が高かったのです。なので、たまーに見てて雪が積もってるのを見ると、「おー」って思ったりしました。
しかし恥ずかしながら、広島にいるときには地平線を見ることはほとんど無かったのです。3方向を山に囲まれているのみならず、残った1方向は海…水平線は見ることができても地平線は見れなかったのですね。
そしてまあ、関東に来て無事に地平線を見ることになるのです。
しかし、関東に来て井の頭線に乗った時でしょうか。どことなく違和感を感じたのです。井の頭線の下北沢の手前、池の上からちょうど駅に向けて上り坂があります。そこで海側に目を向けると、遠いところに三軒茶屋のキャロットタワーっていうビルが見えるんですね。その他にもいくつかビルが遠景に見えて、そこまでずーっと住宅が続いているんですけど、その時に、なにか足りないなーと違和感を持ったのです。
もちろん、井の頭線だけではありませんでした。東横線の自由が丘あたりとか、京成の青砥あたりとかでも似たような違和感を感じました。
そしてそれは、遠景に山が無いことによるものだと気づきました。
周りに山があるという一種の圧迫感を、無意識のうちに当然だと思いこんでいて何もない関東平野の解放感に違和感を覚えてしまったのです。
逆にこれを普通だと思ってる人だと、広島の遠景に違和感を覚えるのかもしれません。
そう考えると、僕もある意味山派かもしれないですね。